11年前の今日。

杉田廣貴 書道 パフォーマンス 写真
2009 大書パフォーマンス

11年前の今頃、

路上に出よう、出ようと一歩踏み出す前だった。

1週間、すごく悩んで出られずにウジウジしていた。

ビルの影から路上で座ってみたい場所を見ながら、

ここで出なければ、今までと変わらんぞ!

『ええぃ!!!!』

って一歩踏み出した。

だいたい19時から20時の間だったな。

たった路上に出るだけなのにね(苦笑)

人生を変えた瞬間だ。

 
 

よし、準備をするぞ!って、

まず、シートを敷いてたら、

女性3人組がやってきた。

ドタドタドターーーーっとやってきて、

勢いは感じたが、

死角からやってきたから、もうビックリ。

『言葉、書いてくれる人ですよね??

書いてください!』

って、、、、

(心の声:いや、まだ筆も何も出してませんけどーーー!!???

なんで、分かるのーーーーー!!???)

後ろから飛び蹴りをくらったかのような依頼(汗)

『は、はい、そうです。準備するんで待ってくださいね(^^)』

(心の声:やっべー!! 人くるの早すぎでしょうがーーー!!)

さぁ、もう逃げられません。

準備して書くしかない。

そうすると、

なんということでしょう?

私の手が尋常じゃないくらいに震えてるではありませんか?

ガクガクでも、ブルブルでもありません。。。

ブっルン、ブっルン!!!!

です。

 
 

映像がないのですが、

志村けんのひとみばあさん並の震え。

手が、180度、自由自在に「震える」。

さらには手に力が入らない。

 
 

そんな手でシートを敷き、

筆を出し、墨をいれたり、和紙を置いたりするわけじゃないですか??

もうお分かりですよね。

それが、どんだけ凄まじい状況か(笑)

シートはなかなか真っ直ぐならない

筆は飛ぶ、墨は飛ぶ、和紙は置けない

多分、依頼した女性3人組は思ったでしょう。。。

『なに??このコントみたいな人??』

 
 

なんとか10分くらいで準備ができて、

さぁ書きます。

あれ??おかしいぞ??

震えが止まらない。

 

なんということでしょう?

書き始めたら止まるかなと思っていた手が、

自由自在に震え続けているではありませんか??

(心の声:んおーーーーーーー!!!!勘弁してーーー!!!)

止まってくれません。

よし、集中すれば、止まってくれるはずだ。

瞑想して、

深呼吸。。。

心を落ち着けて、、

目を見開き、

自分の手をみたら、、、

なんということでしょう??

精神統一したおかげで、

手の震えが、さらに増している!!!!!(苦笑)

 
 

(心の声:もうダメだ。ここで書くしかない。)

手はもうどうしようもないと、

あきらめて、筆をとります。。

筆に墨をつけると、案の定墨が飛ぶ。

和紙にもっていくと、

どう頑張っても「文字」になりません。

そんなの当たり前だ。

震えてるんだもの
(愛田蜜男)

なんとか「文字」にして渡したかったから、

右手を左手でおさえて、

書く事にした。

そしたら、

ぜんぜん「文字」にならなかった。

そんなの当たり前じゃない。

あなたがおさえた、その左手、

震えてるんだもの
(love田みつを)

(心の声:もう無理だ)

あきらめた私は、

その「文字」にならない作品を、お渡しした。

そして、女性に言葉を伝えた。

、、、

 

声で。

そう、声で、、、(汗)

 

筆も墨も、和紙も、

必要なかったのだ。

声さえあれば、伝えられたのだ。

なんという一歩目だ(苦笑)

 
 

なんとか女性は喜んでくれたけど。

そんなコントのような一筆目を書いた、

11年前の今頃。

いやぁ、ひどかった。。。(T~T)

書を始めたなんて、ほんとは言っちゃいけないようなスタートライン(泣)

書道家に、失礼(泣)

書を始めたなんて言っちゃダメなんだ。

そんな一歩目だった。

 
 

それでも、この一歩があったから

ロサンゼルス 杉田廣貴 書道 パフォーマンス
ロサンゼルスでの大書揮毫

その時の自分に言ってあげたい。

大丈夫。

そんなお前でも、感動してくれる人がいるぜ。

そんなお前でも、認めてくれる人が出てくるぜ。

そんなお前でも、海外で活躍できるようになるぜ。

そんなお前でも、日本国大使館で個展とかできるようになるぜ。

そんなお前でも、日本でも会社立ち上げて、社会のためにと動き出すぜ。

 

途中、ホームレスやら路上やら、変なこともいっぱいするけど。

ぜんぶ、経験値になる。

人にとって、「経験」こそが力だという事を知る。

そして、「挑戦」と「継続」こそが宝だという事を知る。

 

恥じらいを捨てて、もっと進んでいこう。

自分の可能性を、

自分で下げてはならない。

生きている間は、大志を抱け。

70歳で大学に合格した尊敬する経営者の死に様に学んだことだ。

11年。

濃厚だった。

これからさらに濃厚にする。

もう決めている。

もっと世界のためになれるアートを磨いていく。

地域から世界へ、

分け隔てなく、愛に溢れる瞬間をアートで築いていく。

「おれは、必ずやる。」

それが11年間で学んだこと。

 
 

できる人だから、できたんじゃない。

11年前までは、「こいつは出来ない奴だ」というレッテルまであった男だ。

できない奴だったから、悔しいから、ムカつくから、

いつか見返してやろうって、頑張った。

これでもかって進んでみた。

泥臭くていいじゃないか。

 

message

11年経ったので、

自分もまた一歩踏み出してみます。

応援くださる皆様のおかげで、

感動してくれた一人一人のおかげで、

今があります。

心から感謝いたします。

こんな自分ですが、

これからも宜しくお願いいたします。

Artist / 書道家 杉田廣貴(すぎたこうき)

https://sugitakoki.com/